フードトラッカー日誌【キッチンカー開業期】９・１６　ハートに火は灯っているのか？

こんにちは～。

3連休でしたね。

ここまで、MPKさん（略称）での出店で、夢が現実になり嬉しかったのですが、実は自信をなくしてばかりなのでした。

というのも、

8月31日（土）20050円 28客

9月7日（土）18600円 11客

9月8日（日）27600円 29客

という売上だったからです。

お世話になってるカー工房 A.R.customs の西田さんに紹介して頂いたトルコ人のキッチンカーの先輩によると、土曜日で100個、日曜日は200個くらいは売れる、というものでした。

それを基準に食材の手配をして、人の手配もしていたのに、上述のような散々たる結果。

お店の前に人は通るのですよ。

来場者は多い。

でも買ってくれない。

原因はなんでなんだ。。

オープンしてから毎回、色んなことを少しずつ改良させてきましたが、一つビビってたことがありました。

それは価格。

高くすると買ってもらえないのでは、という不安がかなりありました。

8月31日は今まで通りラクレットサンド650円を今だけLINEのお友達登録してもらうと500円で、というサービスをしました。

それでも20050円しか売れなかったのです。

ここで自分の頭の中で分析して考えた事

①来客数に対しての飲食店の絶対数が売上を大きく決める。

1万人の来場があって、そのうち5000人がなんらかの食事をするとします。お店の数が10件なら単純に割ると1軒あたりの見込みとして500人の来客数がある。という計算。

9月1日のO・アリーナで忙しかった時に感じた事。食べるとこがここしか無い、という状態でした。来客数の見込みが1万人で飲食出来るのがキッチンカー10台と露店3軒のみ、という状態でした。この時は78800円の売上が6時間ほどで上がりました。

160個近く販売した事になります。

ほかのキッチンカーも忙しく売上が上がってました。単純計算として売上が上がる可能性が高かったわけです。

さてMP神戸ではどうなのか？

もともと建物の中にある飲食店が21店舗

キッチンカーが4台、露店が全部で5軒、

多分これだけの飲食可能なお店があります。

全部で30軒ですね。

以前イベント担当の方に出店交渉をした時、来場者数の事にも触れられていましたが、

土日で平均すると2万人～3万人くらいとの事でした。その時はなんとなく凄いな～という風にしか考えてなかったのですが、お店の数と飲食店の総数、これを今後はイベントや、出店場所毎に数えてみようと思います。

②同じ飲食店でも露店やキッチンカーは固定店舗より弱い。

①の話の続きになるのですが、3日間かなり気温が高く暑かったです。この夏の出店で気温にはかなり敏感になりましたが、まだ残暑がキツく、31日は32度、7日は35度、8日は34度くらいまでら気温が上がりました。

こうなると絶対にクーラーの効いた室内に入りたくなります。日中に外で日差しのキツイ中で露店やキッチンカーで買った物を食べるのはかなり暑い。ドリンクやカキ氷などの冷たいデザートならまだしも、喉が乾くパン系の物などは割引いて考える必要あります。さらに、飲食出来るスペースがあるのと無いのではまた、大きく変わると思います。テーブルや椅子などが無い場合は歩きながらや、その場に立って食べなければなりません。子連れのお母さんや、年配の方などは厳しいですよね。何人かのお客様は帰りの車の中で食べたいから袋に包んで欲しい、と仰ってました。テイクアウトの用意をキチンとして、アピールする事で買ってくれる可能性は上がりますね。

そういう意味で、特にキッチンカーや露店の場合は気候、気温、天気に大きく左右されるという事が身をもってわかりました。

③食事利用なのか？喫茶としての軽食利用なのか？

もう一つ、売る商品はお客さんのどのニーズに当てはまる物なのか？という事。ガッツリお腹を満たしたいのか？軽めの食事でも良いので何かつまみたいのか？そういう需要に応えれる商品なのか？という事です。

例えばファーストフード店が目の前にあります。朝、昼、夕方まではお客さんが多いです。

が、夕方以降の夜は少ないです。これ、理由はわかりますよね。僕も晩御飯がマクドは嫌です。イタリアンのお店は昼と夜は並んでます。が喫茶の時間15時～17時くらいは少ないです。逆にクレープとドリンクのお店は昼過ぎから夕方が忙しそうです。

では、僕の売ってるラクレットサンドはどうなんだ？という話です。

自分の中では軽食だけど結構お腹いっぱいになる、という風に捉えています。また、チーズが濃いいのでお酒と相性が抜群です。そういう意味では夜でも飲みながらつまみたい食事、になり得るものだと思っています。

でもお客様はそう思っているのか？若干の捉え違いがあるように思います。なんというかぼくが思ってるより軽い感じのイメージなのでは無いかな？サンドという名前もそう感じさせるのかもしれません。

で、今まで買ってくれるお客さんを分析すると、珍しいし、一度食べてみたいからこの機会に買ってみよう、という動機でラクレットサンドを買ってくれる人がほとんどのように思います。

一度食べてもう一度、という人も今後は増えるはずですが、まだ未経験の人がほとんどなのですね。ですから見た感じのイメージ、ネーミングから感じるイメージ、プラス興味本位がお客さんの頭の中にあって買ってくれるのだと思います。食べてくれた人はほぼ満足してくれてるな、というのは強く思うのです。だから商品自体は悪くないし、良い意味でお客様の期待を超えた物なのだと思います。

話を戻しますが、お客さんはラクレットサンドを食べにわざわざ来てくれてるわけではないのです。服をゆっくり見たり、買ったりして何か美味しいもの食べて、景色や雰囲気を楽しもう、という動機で来ているわけです。その何か美味しいもの、のなかに入っていかないと買ってくれないのですよね。基本、人は冒険をしません。だから頭の中でもし今日はイタリアンが食べたいなーとか、お寿司食べたいなーとか考えながら来ている人も多いと思います。半分くらいの人はなんとな〜く食べるもの決めてる訳です。ぼくも頭がラーメンの時とかありますが、その時にはハンバーガーだとちょっとなー、となります。お客さんの候補に軽食のパン料理として想像してもらえたら買ってもらう確率が高いのだと思います。で、ぼくが思ってるお酒と合う、なんていう事は食べてみてわかるのですよね。まあチーズを焼く時の匂いで、食欲をそそられたり、お酒が欲しくなったり、は多少はあると思います。

初日にとなりのケバブ屋さんが並んでるのに、こちらはお客さんいない、という場面がちょいちょいあって、それがすごく悔しかったのです。

で、ケバブ屋さんで売れてるのはケバブサンドなんですよ。そう、同じサンド。これが悔しくて悔しくて。僕の中ではケバブサンドと同じくらいのボリュームがラクレットサンドにもあると思っています。食べてもらうとわかります。でもお客さんは肉を食べたいんですね。ケバブが根強い訳がわかりました。

チーズのイメージが軽いのです。僕は敢えてラクレットチーズの美味しさをアピールしたいので、今まで肉などを一緒にして、メインのチーズの味が薄くなるような組み合わせは避けてきました。

でも悔しくて考えを改めました。

ガッツリ食べたい～という欲も満たすためにローストビーフ、サーモンという食材をチーズと一緒に挾む事にしました。色々食べた中で、この2つは濃いいラクレットチーズの味の邪魔をしなかったのです。これで少しはケバブサンドに対抗できるのではないか？と考えました。

上記の3点を特に強く感じました。そういう事で、対策。

・暑さに対しては涼しくなるのを待つしかない。

・お店と来場者数の絶対数は変えようがない。

・メニューは変えれるので変えてアピールする。

・お客様の来店動機を考えた時に、今来て下さっているお客様に対して安売りする必要は無いので、値段を高くても売れるようにメニューを組み直す。

・LINEの登録の為に安売りをしていたが、それを止める代わりラクレットチーズの残りをスライスにして試食用にお配りし、その代価としてLINEのお友達登録を増やす。ロスの軽減にもなり、一石二鳥。

・読み間違えによって生じた過剰在庫を減らすべく、断腸の想いで予約していた今週のチーズの注文は全てお断りする。パンの注文も減らす。人件費を削ることも決意。やはり100個以下では人件費が満足に出ないので、11時～16時の間だけお手伝いさんに来てもらう事にしました。

やはりビジネスとして最低でも赤字にならないように行動に移さないといけません。夢物語はここまでです。

そして挑んだ9月14日。

メニューを変えました。

ラクレットサンド

Sサイズ 650円

Mサイズ 800円

Lサイズ 1000円

更に

・ベーコンの代わりにサーモンハラスを追加　プラス180円

・ベーコンの代わりにローストビーフを追加　プラス250円

購入してくれた方でLINEのお友達登録をして頂ければラクレットチーズスライスの50グラム真空パックを1個プレゼント。

こう変えました。

結果から言うとこの日、最終の売上は28200円でした。

前回よりも上がったとは言え100個には程遠い数字です。

成果としてはメニューの単価を上げる事は全然大丈夫でした。高いからやめようという人はいたのかもしれないですが、価格的にはそれでも高くない設定だったのと、お客さんの中には、そんなにチーズかけても大丈夫ですか？という人もいたぐらいでした。

それから一番売れたのがMサイズ、サーモンハラスのせでした。メニューの変更で客単価がぐっと上がりました。これは大きなプラスです。

安売りは商品の価値を下げてしまいますね。

来場者数は見た感じは前回と殆ど変わりないように感じましたし、気温が前回より高かった事を考えると売上が少し上がったのはプラス材料だと自分の中では少しだけ手応えを感じました。でもまだまだ思ってたとこには遠いなー。

そう感じてた夕方暗くなってからの話です。

東京から同じビジネススクールで学んでいた仲間がわざわざ一人で来てくれました。

なんでも大阪でライブがあった帰りに時間がないけど寄ってくれたと。

本当に有難い。

彼女は女性として産まれたのですが、LGBTで内面はほぼ男性。女性のパートナーがいます。本職は理容師。ただ髪をカットするだけの理容師ではなく毛穴の流れを見て髪を禊ぎ、エネルギーの流れを良くするという活動をしています。過去、それはもう性に悩み、LGBTの自分と家族と周りの人達と真剣に向き合って、壮絶な体験をして今がある。本当にカッコ良い男らしい人ながら、自分の事を『愛たん』と呼んだり愛嬌全開の二面性を持った人。感性が凄いな～と思う。見たり話したりした時に感じる事が普通の人の倍以上にあるのではないかな。そして表現者でもある。彼女⁈の言葉は日本語として文面はおかしいけど、ビンビンに伝わるのです。

そんな魅力のある人で僕も一目置いています。

そんな愛たんが来てくれて、ラクレットサンドを作ってるとことか写真や動画を撮ったりして、出来たサンドを食べて、ノンアルを飲んで本当少しだけしか話せなかった。だけど、新幹線の時間があるからと、サンドも少しだけ食べて紙に包んで持って帰って、時間にすると15分とかかな？そんな時間だったけどわざわざ来てくれた。

嬉しかった。

それで、その場では話せなかったのだけど、愛たんからメッセンジャー越し、フェイスブックのコメント越しにフィードバックを貰った。電車の中、新幹線の中でラクレットサンドのサーモンのせを食べながら書いてくれたのだろうけど、これが凄く響いた。文章としては稚拙な、この言葉が本当にあったかい。何度も読み返した。

実際には何度かのメッセージのやり取りがあったんだけど、特に、

『お客さんと友達になりなよ』

『もっと図々しくていいよ』

『駅前のたこ焼き屋のおっちゃんのこと（愛たんが）まだ覚えているんだよ』

『チーズが飛び出して落ちたら悔しい』

こんな言葉が胸に刺さりました。

なんか、お客さんの分析とか、メニューがどうとか、場所や気温がどうとか、勿論大事なんだけど、そうではなく、もっともっと大切な人としてのハートの根幹の部分を忘れてました。愛たんはそこに僅か15分程度で気付いたのだと思う。感性で感じたのだと思う。

そしてそれを僕に温かく気づかせてくれました。

ありがとう。

日曜、月曜は来客数がかなり多く、結果としては売上げは両日最高記録を更新。