フードトラッカー日誌【キッチンカー開業期】 6・17 裏方の仕事が沢山

こんちは!

僕のキッチンカーも完成がほぼ見えてきました。

大掛かりなことは目立つのでやった感があるのですが、実は見えない部分の作り込みに時間がかかります。

・電気の配線

・ガスの動線

・水道の配管

などです。

電気についてはサブバッテリーシステムを導入しました。

営業中は外のコンセントや発電機から電源を取ります。

車の走行中は元々の車載のバッテリーとは別にもう一台バッテリーを積んでおいて、そこから電源をとって冷蔵庫や冷凍庫など、常に電源が必要なところの電気供給を賄うようにしました。

自宅に帰ってなお電源が必要な場合は自宅のコンセントから電源が取れるようにしてあります。

固定店舗や家庭にはブレーカーがついてますが、キッチンカーにも小型のブレーカーをつけてもらいました。

あとはバッテリーと外部電源の切り替えスイッチ。

車内に4箇所コンセントもつけてもらいます。

それからガスについてですが、僕のキッチンカーにはガスのグリラーが2機搭載されています。それとガス給湯器が1台あります。3つのガス機器を1つのプロパンから取れるように配管しています。

常時車には2つのプロパンガスを用意しておいて、なくなったら交換できるように準備しておく必要があります。

最後に水道なんですが、これが特に地域によって許可の違うところです。

キッチンカーで調理場の許可を取ろうとしてますが、その場合は必ず手洗い用に給湯設備が必要です。ここは全国共通。

あと上水ですがタンクに綺麗な調理用の水を毎回準備する必要があるのです。

東京都で営業するなら、この水が200リットル必要です。

しかも、1つのタンクに200リットルが入るようなものを用意しないといけません。これが大変。

大阪府でも200リットル。小さいタンクに分けて合計200リットルでオッケーです。奈良では100リットルなんですが、1つのタンクに100リットルが必要でしかも綺麗に水が抜けるのか?を見られたりします。

衛生上、水が特に厳しいように感じますね。

一応大阪、兵庫でひとまず営業できるスタイルにしています。

今後東京でイベント出店もできるように200リットルのタンクを積むならここに、という場所だけは確保しています。

それから上水用のポンプの設置です。

通常50リットルとかのポリタンクを用意してそこに綺麗な水を汲んで、水道に電動ポンプでつなぎ、蛇口から水が出るようにします。

お風呂の湯船から洗濯機に水を回す用のポンプが一番安く、これでうまくいけば良いのですが、給湯器にうまく水が回らずお湯が出なかったりする場合もあるそうです。

家の水道って水圧がかかっていますよね。それを押さえ込んで止めている感じなんですが、キッチンカーの場合はそういうわけにはいきません。

例えば屋根の上に上水用の水タンクを設置できれば、重力で水が出るようになります。そういう工夫が必要なんですね。

僕の場合はシンク下のスペースなどを有効に使いたいので下にタンクを用意しておいてポンプで吸い上げるようにしました。

給湯器の取り付けがまだなんですが、うまくお湯が出るか、心配です。

あとは下水です。

大阪府で許可を取るには下水も上水と同じく200リットルの容量が必要です。

だいたいどこの自治体でも許可を取るには上下水とも同じ容量が必要ですね。

とりあえず許可取るために上下合わせて20リットルのポリタンクが20個必要ですね。

シンクでの排水が管を伝ってまたポリタンクに貯まるようにします。このタンクをトラックの荷室の下に設置してもらいました。

ポリタンクに蛇口がついているものを選んで、たまった水は蛇口をひねったら出るようになっています。

実際問題、移動販売ではほとんど水を使いません。

この下水の処理が大変だからです。汚れた水がタンクに貯まるとタンクの掃除も大変です。固定の店舗ではかなりの量の水を使って器具の洗い物などもしますが、キッチンカーではなるべく使わないように、という感じですね。

洗い物も営業が終わってから持って帰ってやる感じです。

ペパーナプキンやウェットティッシュなどを多用して水道周りを汚さないようにします。

実際、僕のキッチンカーも許可を取るためにシンクを3つ設置していますが、シンクの上に板を引いて台にして、そこで作業ができるスペースにしています。

ハナからシンクは使わない前提なんです。

以前先輩のキッチンカーで出店させていただいた時にも全く水を使いませんでした。最初は使わずに営業できるのか?不安でしたが、全然大丈夫でしたね。

もちろん使っても良いのですけどね。

そんな感じで、外からは見えない細かい部分を作り込む作業があります。

そして、やるメニュー、使う厨房機器によってこれが変わってくるわけです。

工房では一人一人のスタイルに合わせて使い勝手が良いように動線を予想し、厨房機器のレイアウト、スイッチの位置、棚の位置、水道、電気の配線の場所、換気扇の取り付け、などを事細かく決めて作り込んで行きます。

そしてキッチンカーでは普通の店舗のように全く希望に沿った作りができるわけではありません。最低限、トラックが走れるように、重量やバランス、電力なども考慮しないといけないわけです。そこが頭の悩ませどころなんですね。

そう意味でもまさにオンリーワンの厨房ができるわけです。

今回の僕の場合、グリラー2台、ラクレットオーブン、というのがメインの機械で、室内がかなり熱くなります。

そこで普通ではつけない、フードを特注でつけてもらいました。

熱が上に滞留することはあっても室内全体には漏れにくい作りです。

さらにグリラーがちょうど作業しやすいような高さになるように特殊なフレームを作ってもらいました。

自分の腰の位置くらいで焼き網を出し入れできるようになりました。

細かいことですが、何百回とする作業ではこの位置がかなり影響してきます。

素晴らしい仕事に感謝ですね。

今日は裏方の仕事についてのお話でした。

何事においても実は見えない部分の力で成り立っているのだという教訓を再確認できましたね。

最後までお読みくださりありがとうございました!